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神戸の海に新しい名所ができた。
パールブリッジ、舞子の浜に堂々たる威容を映す明石海峡大橋である。
それにひきかえ、町全体が世界文化遺産に指定されているザルツブルグの周辺には、神が造ったままの姿の山々が、数千年の時間をとどめていた。
海の上をまたいで淡路島とつながったこのとてつもない橋は、私がまだホギャア ホギャアと言っていた頃、初めてその計画を立ち上げた。そして、私のまんざら短いともいえない人生-大人になり、母親になり、そして一人前の職業人となった歳月と、同じだけの時間をかけて完成したわけである。
広大な公園や科学館などの施設も整い、風景は一変したはずだが、さほど変化を感じないのは、橋ができあがっていく課程に馴染んでいたからだろうか。
しかし週末の夜は断然、違う。橋はひとすじの明かりの曲線となって、他の追随を許さない世界一の吊り橋であることを示してみせる。
まるで、海の上に立つ支柱と支柱が、喜々として差し伸べた手をつないでいるようだ。とぎれない虹色のグラデーションは、海を越え、陸と陸とが繋がったことを堂々と教えるのだ。
ふと、私たちの世代の青春の歌だったサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」を思いだした。この歌の原題は Bridge over troubled water - 直訳すれば、「さかまく水の上の橋」。けだし、邦題は名訳であろう。
そう、さかまく水の上に身を横たえ、何十年もかけて対岸をつないだポジティヴな道を、今、私たちは得た。ここを歩いて明日への可能性に挑むのは、これからの私たちの宿題だが、橋も私も、働き盛りはこれからだ。
橋は、みんなの胸に架かるのだ。
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