|
豪華クルーザーの船上で、町の夜景を満喫するディナー・タイムをあなたに。“お上りさん”狙いの観光用コピーではないが、初めての土地を訪れる時は、“何々クルーズ”というのに出掛けてみるにかぎる。
セーヌ川クルーズ、ハドソン川クルーズ、漢江クルーズ……。
世界の名だたる都市は、不思議と大きな川や海を有する位置に立地するので、必ずといってよいほど船を使った観光コースがある。
そしてこれがいずこも大人気だ。考えてみれば、歩いたりバスや車を利用したり、時間をかけて地上をめぐってくるより、わずか数時間、陸を離れた船の上から眺めるだけで、その町のことをずっと深く理解できる場合がある。
視点が変わる、ということは、それだけ新鮮な発見があるということだろう。
実際、ニューヨークなどは、地上からだと、他の大都市とたいして区別がつかないが、陸を離れた船から眺めた姿は、まさに世界に並びないメガロポリスと言う以外にない。
クールで傲岸な摩天楼や、さんざめく光の群れは、感傷的なまでの美しさでせまってくる。
映画はそれをよく知っていて、この町を映す時には、必ず陸を離れた位置にカメラを置くくらいだ。
ディナー・クルーズでは、船がマンハッタン島の南端に達し時、無数のフットライトに照らしだされた自由の女神が現れ、クライマックスとなるのも心憎い。
だがダイナミックさでは、神戸のクルージングも、決してひけをとらない。
天を突くマンハッタンの代わりには六甲の山、自由の女神に匹敵するパール・ブリッジ。
そして水は、かつて大和の都に先進文明をもたらした中国からの使者たちがここを通る時に、日本にも江(大きな川)があるではないかと評した瀬戸内海だ。
わずか3時間、一日のうちの8分の1。いつもと違う視点は、あらためて神戸の美しさを教えてくれる。
そしてここに暮らすことの幸福に、気づかせてくれる。
|