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“皮膚”みたいなもの
美しい言葉さがしたい
播州弁を交えた飾らないトークが人気の作家・玉岡かおるさん。方言へのこだわりは自身の小説にも随所に登場する。中でも代表作「をんな紋」シリーズなどで使われている女言葉は、「怖い」「柄が悪い」といった一般的なイメージとは異なる、播州弁の別の魅力を浮き彫りにしている。三木で生まれ育った根っからの播州人、玉岡さんから見た「播州弁」とは・・・。
【方言を使った作品が多い】
播州を舞台に書くことが多いので、せりふも自然とそうなる。だからラブストーリーも播州弁(笑)。以前、田辺聖子さんから「物書きはきれいな言葉ではなく、美しいと誇れる言葉で」という書評を頂いたことがあって、それから美しい播州弁というものを意識し始めた。
例えば「〜しとって」のような、京言葉にも似た上品さ、そして柔らかさ。文献をひもとくと、今ではほとんど使われなくなった美しい言葉がたくさんある。そうしたものを積極的に押し出すことで「こんな言葉もあったんやな」と感じてもらえればうれしい。
【テレビでも播州弁で話すのは?】
できるだけ気をつけてはいるけれど、方言って音節の短い言葉ほど、どうしても独特なイントネーションが出てしまう。生まれた時から染み付いているもんだから、簡単にはがせるもんじゃない。まるで“皮膚”みたいなもの。地域によっても微妙に違う。だから神戸や大阪の人から「同じ関西ですね」って言われたら、「おいおい、ちゃうで」と突っ込みなくなっちゃう(笑)。
【好きな播州弁は】
「べっちょない」。シンボリックだが、非常に温かみを感じる。120%守られてるというか・・・。あとは、娘たちが覚えているおばあちゃんの言葉かな。「がいようしたら」(具合よくしてあげよう)とか、「いかたる」(ぶつかる)。何かしらぬくもりがある。
最近はテレビも教育の影響もあって、昔に比べて言葉が標準化され、方言の良さが少しずつ失われている。子どもたちが大人になって、おじいちゃんやおばあちゃんを思い出せる言葉がないというのは悲しい。
【一方で、「播州弁は柄が悪い」というイメージも強い】
確かに柔らかい言葉遣いがある半面、触れればポキポキ折れるような荒さ、精巧さもある。言い回しでも「しとんねん」にわざわざ「がいな」と付けたりと、語尾がくどい。そういう意味ではエネルギッシュな言葉だ。
だからこそ、祭りや阪神タイガースの試合によく似合う。最近こそ強いからなかなか聞けないが、負けてるときに「われ、なにしとんどい!」なんてやじが飛んだら、「これぞ播州弁」ってうれしくなっちゃう。 |