新刊『天平の女帝 孝謙称徳』

2015年11月27日、新刊『天平の女帝 孝謙称徳』が、新潮社から発売されました。

1,800円  新潮社

読者の皆さまから

『天平の女帝 孝謙称徳』(新潮社)を読んだ読者から、続々と感想が届いています。 うれしいですね。 たとえ褒め言葉でなくとも、こうして一緒に玉岡かおるの文学世界に浸っていただけたこと、文面を見るだけで、執筆中のさまざまな苦労もふっとびます。 ありがとうございました。

 

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「ABC朝日放送ラジオ 武田和歌子の『ぴたっと』」
番組中で、”ことし一番感動した本”として紹介していただきました。

 

「天平の女帝 孝兼称徳」 読了致しました。      
生き抜いた女帝の姿。      
逃れられない大変な孤独感は、同じ女性として胸に迫るものがありました。      
そして、歴史上、もっともっと賞賛されても良い方なのですね。      
知識なく読み始めましたが、 玉岡さんの大変丁寧な展開のおかげで、しっかり世界観に浸ることができました。      
皇室典範の上で、すぐにでも女性天皇を・・・とはならぬものの  
やはり議論を続けることは必要なのかもしれませんね。      
合わせて、総活躍社会の中で、産めよ働けよ・・・と言われているような女性の立場って      
一体何なのかしらん・・・と問う自分もおりました。

 

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Wさん(男性) 天平の女帝 孝謙称徳

読み終えて、この気品溢れる装丁の本を閉じた後、しばらくぼーっとしてしまいました。
長い夢を見ていたようなタイムトリップから、現実へ意識を戻す時間が必要でした。
それぐらい、この時代のこの世界に引き込まれ、活字の世界なのにまるで目の前で見てきたかのような感覚でした。
そう、建物の柱の陰から窺い見たような・・・。

これほど五感を刺激させられる本に今まで出会ったことはなかったかもしれません。
ドラマや映画で観る機会のほとんどない時代の衣裳や装飾品、建物、それを想像しながら読むわけですが、繊細で豊かな描写から目にも色鮮やかな衣裳や髪飾り、薄絹の質感まで目に浮かびます。
隼人の吠声、剣の音、雷鳴、この物語の鍵となる猫の鳴き声、衣の裾の衣擦れの音まで聴こえてきます。
お香のかぐわしい香りや、南国の果実の香りや味も想像しました。
また、たびたび「風」が吹いていました。
都を渡る風を登場人物とともに感じていたのです。
細かな描写から想像力をフルに働かせながら、入り込んで読みふけりました。

雑誌「波」の対談の記事にもありましたが、一人称ではなく、広虫や由利たち女官の言葉や記憶を通して間接的にヒロインを描き出すという手法は大成功だと思います。
読者としては高貴で遠いお方に感情移入するよりも、広虫の目線で女帝を感じる方が理解しやすいと感じました。
そして、間接的で初めはぼんやりとした天上の人が、物語が進むにつれ、だんだんとくっきりとした形をもって現れ、存在感を増してきます。
ここまでくるともう、イマジネーションぐるぐる状態です。

広虫や由利の聡明さ、澪の利発さ、光明皇后、井上皇后、女帝を取り巻く女性たちのキャラクターがしっかりと描かれていてとても魅力的です。
また、男たちも権力に執着する不敵な面々、勇敢な隼人たち・・・。
個性的な登場人物一人一人が生き生きと躍動していて、どの人物もいい味を出しています。
それにしても、どうして男はすぐに女を利用しようとしたり、うまいこと言ってだまくらかそうとするのでしょう。
広虫が百川に毅然と接するところは好感が持てました。
「ばかにしないでよ」「女をなめんなよ」ってところでしょうか。

そして道鏡・・・。
いったいどういう存在だったのか、どのような解釈で書かれているのか興味がありましたが、ある意味期待したとおり、女帝とは後世に噂されているようなことはない・・・でも予想だにしなかった道鏡の暴走。
この場面から、毒の謎解き、雷鳴轟く隼人の舞は、怒涛のクライマックスで、とてもドラマチックな展開でした。

また、由利と如宝の恋。
意外なところにグッとくるストーリーがあったのですね。
あの知性と理性に満ちた由利がこのような思いを秘めていたとは、驚きでした。
思わず泣かされました。
きっと由利は苦しい胸の内を広虫に打ち明けたかったのでしょう。
そして広虫が受け止めてくれる存在だとわかっていたのですね。
胸を打つシーンでした。

広虫が女帝の真意を知るラストにはじーんと静かな感動が迫ってきました。
女帝は本当に孤独だったことでしょう。
誰がどんなにそばにいても、その立場では、いつも独りだったのでしょう。
それが、広虫という賢く、心配りのできる女官がいてくれることで、どれだけ救われていたでしょうか。
自分を信じ、敬い、常に仕えてくれた忠実な広虫が、心強く、頼りになり、身分を超えて「友」と呼べるほどになっていた・・・。
そのような「友」と出会えたことは、女帝にとって幸せだったと思います。

特に印象的なシーンは、御幸の始まり。
酒人内親王の紅い薄絹が風にさらわれ、山部親王がキャッチする様子。
まるでスローモーションのように見えて、美しいシーンでした。
後の世を暗示する意図もさることながら、視覚的にすごく好きな場面です。

個人的には、この時代の人物では吉備真備が好きだったので、もう少し活躍して欲しかったです。
遣唐使でとても優秀な人物ですが、その人物像がよくわからなくて、興味がありました。
でも、その血を引く由利がとても魅力あるキャラクターで大活躍してくれたので、満足です。
さらに言うと、広虫と夫との夫婦の情が通い合っている場面がもっと見たかった気がしました。

時代がどんなに変わろうとも、人の心は不変であると、改めて感じました。
親子の情、絆、母の愛、そして人を恋うる気持ち・・・。
人は人であることの本質がここにありました。

単に史実(後世の噂も含めて)に沿っただけの歴史小説ではない、極上のエンターテイメント大作だと思います。
そして、歴史に埋もれた女性たちの声なき声をすくい取り、歴史から学ぶべき現代へのメッセージもこめられていることは、今までの作品同様、玉岡先生のぶれない信念を感じ取ることができました。

タイムトリップにご案内ありがとうございました。
また、これからも読み応えのある作品で読者をいろんな世界へいざなってください。
楽しみにしています。

あおによし 奈良の都に風吹けば いにしへびとの 心思はむ


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H.Iさん(男性) 『天平の女帝 孝謙称徳』玉岡かおる(新潮社)

玉岡かおる先生の待望の新刊でしたが、あえて情報は一切得ずに手にしたご本…。
渾身で読んだ400ページでございました!

舞台は藤原不比等が中心に遷都した平城京・奈良時代の物語。 この時代って、律令体制の確立から遣唐使、「天平の甍(いらか)」で仏教広めた鑑真さん、聖武天皇の東大寺大仏さんでしょ~。 道鏡法王さんって絶倫のお坊さん…。 (これ、史実とは違うみたいね。でもなんでこんなイメージなのかも本作で理解できるのよね) ボクは奈良時代に、こんなイメージもっておりました。 はい。全部出てきますのよ。

でも、軸におわすのは第46代と第48代の2回にわたって天皇となられた女帝の孝謙(称徳)天皇さま。 物語はこの女帝が崩御したところからはじまるのですが、独身女帝であり皇太子が定まっていないゆえに朝廷為政者らの緊張の「駆引き」が描かれまする。その共通の意志は「女帝治世の仕組みなど未来永劫に必要ない」との男性お大臣方のお心。(実際にこの後850年、女帝は出現しないみたいです)

そして、ここからの顛末を女帝に仕えた高級女官の和気広虫(わけのひろむし)の目を通して、先の女帝治世時代を交差しながら語ってゆかれますが、とにかく引き込まれてしまうのでございます。

女流作家の玉岡先生の作品なので確かに多くの女性が登場いたしますが、その描き方が「広く深い」のでございます。広虫と同じ高級女官の由利、光明皇后、井上皇后、澪、巫女の蛍女…。

主人公は決して女帝だけではなく、彼女たち、ひとり一人だと感じさせてくれまする。物語を読み進める度に、その理想や愛憎めぐる想いや生き方に感じ入り思わず天を仰いだことは数知れず…。

まだ完全盤石ではない朝廷政治のただ中で、女帝をはじめさまざま立場の女性たちが、男どもと同じく明日の「日の本の国」を築こうとしている様に胸を打たれるのです。

そして、これには男女の別があるわけではありませぬ。 ちゃんと、男性お大臣方の目指す国家の在り方も丁寧に描写されているので時代背景が解りやすいのでございます。

天平文化を育てた時代と政治的背景の空気感、雅な和歌、唐や朝鮮半島との親密な繋がりの縁(えにし)、藤原氏の光と影(摂関政治の種はこの頃からあるのですなぁ)、毒殺を匂わすサスペンス性や幻想的なクライマックスの描写…。 素晴らしくエレガントな文体なのでございます。

そして、そして、時代を超えるさまざまな容(かたち)の人の愛(想い)の尊さと愚かさ…。(第13章から最終章までは最高のクライマックスで、ボクは唸りまくり!)

長々し 旅は終わりぬ 紅の緒を      
    巻いて戻して 結べ夢路に

この歌が心に染み入り最終ページを閉じた今宵でございました。

このお話、映画や舞台(宝塚歌劇やミュージカル)によいのではないかしらん。(^-^)v

 

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K.Aさん(女性)  

意欲作『天平の女帝 孝謙称徳』。

阿倍内親王、後の孝謙称徳天皇を語るとき、誰も(誰もじゃないな、一部の歴史好きが)がしたり顏で、道鏡とのスキャンダルのことを言う。正直、道鏡への寵愛が過ぎた結果として八幡神社御神託事件も起こったのだろうから、そこをどう描くかには興味があった。しかし、かおるちゃんは品格ある筆でそんな下世話な話を一蹴した。『菩薩戒を受けられた王者としての仏道を歩むお方が、戒を破り、罪を犯し、それでも臣下や民の前で平気でいられようはずがない』女とはいえ二度も帝位についた不世出の女帝のほんとうの素顔とはどういうものだったのか。読み進むにつれ、高潔で高邁な精神を宿したまさしく国母のようなお方の面影が浮かび上がる。1200年前に、このように国を治めた(治めようとした)女帝がいたという事実。天武と藤原氏の血をひいた天皇という意味でも、日本の新しい歴史はここから始まったといってもいいくらいの重要な立ち位置であることに改めて気づかせられる。皇統とともに、あの磐座の野望がいまだ続いているということも恐ろしい・・・ラストを落ち着いて読みたかったので、時間がかかってしまった。玉岡・古代史シリーズ、もっともっと読みたい。

 

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Y.Sさん(女性)

「天平の女帝」力作ですね。
権力のこと、男と女のこと、そして陰謀。
新しい世界を拓こうとする高い志。
最後まで、引き込まれるように読みました。
私は読みながら広虫に乗り移っていたかもです。
あんなに遊んでいて、この本が書けるなんて、 やっぱり玉岡さんは天才だ。
との思いを強くしました。
歴史小説、もっと書いて欲しいな。
宜しくお願いします。

 

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C.Sさん(女性)

待ちに待った新刊なので、一気呵成に読みたいような、じっくり読みたいような。複雑なファン心理でした。
結果としてはじっくり読むことになりました。
その理由は、私には時代背景、登場人物に馴染みがなかったから。 もちろん、弓削道鏡や、和気清麻呂、吉備真備といった、 日本史の教科書に載っている有名どころは知っていましたよ。 しかし、道鏡の弟・浄人や、和気清麻呂の姉 和気広虫、 吉備真備の妹 吉備由利となると、存在すら知りませんでした。 お恥ずかしいことで。

この小説は、タイトルロールである 女帝 孝謙聖徳帝の崩御から始まります。
そのあとは、女帝に使えた二人の女官 和気広虫と 吉備由利を中心に物語が紡がれていきます。

***

和気広虫と、吉備由利。
二人は女帝を崇拝する気持ちは同じであるものの、 辿った運命は違っていた。
広虫は、女帝から遠地へ追放され、 由利はご最期まで寝所に通される存在だった。

女帝崩御を機に、都に帰ることを許された広虫は 由利とともに、女帝の「ご遺志」を後世に伝えようとする。
しかし、それは一筋縄でいかないこと。 そもそも一族の娘を入内させることで 栄華を保ち、権力を守ってきた藤原の男たちにとって 「女帝」は旨味がないもの。
やっと男性の天皇になったからには、 自分たちの思うようにできるよう、 何もかも周到に計算している。
時に人を陥れ、時に人を殺めてでも。 都にうずまく権謀術数。
その中にあって、おのが生きる意味を確信し、 まっすぐに生きる者もいる。 帝の死後、生きている者たちによって 徐々に輪郭が見えて来る 『天平の女帝 孝謙聖徳』。
女は、平成の現代に問題にされていることを すでに見つめていたのだった。 女性が一人の人間として、 自分の能力を活かしながら働き、 同時に女性として幸せになれるしくみが必要だと。

***

玉岡さんの講演会でよくお聞きするのは
「ほぼ全ての歴史(書)はオトコが書いたものです。  
そこにはほとんど女性が出てきません。  
私は名前も埋もれている女性たちに光を当てたいんです」
という言葉。
まさにこの小説ではさまざまな女性に 光が当たっていました。
伊勢神宮に向かう斎王や、 未来を見、死んだ者の思いを語り、呪術を行う巫。
帝の妃たちや、それをとりまく女官たち… 中には「嫌なやっちゃなぁ」と思う女性もいますが、 本人の身になれば、 こう生きるしかないのかと哀れにも思えます。 それは時代に関係のないことかもしれません。
また、ある種ミステリ小説としても読めるようになっているのも おもしろいところ。
最後に特筆したいことは、 この「本」の完成度、一体性の高さです。 表紙の絵と、文体、登場人物の品格が 見事に一致しているのです。 だから、最初に書店で手に取った時の印象と、 読んでいるときの感じ、 読後感が一緒。 これはありそうで、なかなかないことだと思います。

次はどの時代の、どんな女性に光が当たるのか、 次回作も楽しみにしています。

 

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Y.Mさん(男性)

正月にゆっくりと完読しました。
歴史は好きなつもりでしたが、なかなかこの時代は馴染みが薄くて苦労しました。
ちょうど「真田丸」と前後して読んだのですが、精読しようとすると耳慣れない人物や地名にいちいち引っ掛かり、Wikipediaと首っ引きでした。
道鏡の描き方がポイントかと思っていたら、まったく色恋沙汰もなくサラリとした意外な立ち位置。

印象に残った言葉「名は体を表す。文字は魂を宿す」 「沢蘭・茅花」というたとえ。
これは想像を巡らしながら画像検索しました。私は知らない言葉でしたが、ATOKでイッパツ変換できたのは驚き。
明治モノは数冊拝読しましたが、歴史モノは少し筆致が異なる印象。もう少し読んでみたい気がしています。

やっぱり人物相関図と古地図が欲しいな~ 
添付のメモ書きながら読んでるんですよ。
益々のご活躍を祈ります。

 

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K.K.さん(女性)

新作の「天平の女帝 孝謙称徳」読み終わりました。
こんなにも壮大な小説を描くには、どれだけたくさんの準備がいったことかと、心から感服しました。
装丁も本当に素晴らしいですね。
初めて手にとったとき、なんて上品で格のある装丁かと思いました。
栞の紐の浅黄色も大好きな色で素敵です。

時代小説は苦手なので、新作への期待とともに、これだけの長編を読み終えることができるだろうかという不安もありましたが、いざ読み始めてみるとあっという間に、小説の世界に引き込まれました。
奈良時代は遠い世界のように思っていましたが、喜びや悲しみ、不安、人を愛しく想う気持ちなど、今を生きる自分と同じ「人間」がそこにリアルな姿で現れました。

女帝の仲麻呂への恋心、由利と如宝の切ない恋は、物語の中に、生き生きとした息吹を吹き込み、その展開に目が離せませんでした。
特に、由利と如宝の一夜の出来事は、ふたりにとって身を亡ぼす危険があるにもかかわらず、それでもお互いの想いを止めることができなかったこと。
深く激しい想いが胸に迫りました。

広虫や由利はもちろん、隼人や澪の存在も物語の中で、若くキラキラした空気を作っていてよかったです。 ラストのイカルとサユルの鬼気迫る舞、蛍女の透視、雷をとらえるクライマックスは、息を飲むような場面で、目の前にその光景が鮮やかに浮かび、、まるで映画を観ているようでした。
女帝が残した御遺詔が蛍女の透視によって明らかになりましたが、内容は今の世の中にも通じる素晴らしいものだと思います。

男と女という枠でなく、ひとりの人間として、誰もが能力を生かしていける世の中。 本当にそうなればどれだけ素晴らしいかと思い、先生が御遺詔として今の世に問いかけてくれたようで、胸のすくような思いがしました。
きっと、それは先生の思いでもあるのでしょうね。
女帝の姿が作品を読み進めるうちに、だんだんとしっかりとした輪郭を持って現れてきて、国を治めるという重責を担うにふさわしい人物という面だけでなく、仲麻呂への想いに翻弄され、危うく女帝としての道を踏み外しそうになった若い女帝の姿は、「神」ではない「人間」としての女帝を感じ、さらに魅力が増したように思います。

仲麻呂への想いを断ち切ったあとの、女帝の動きも素晴らしかったです。
自分の感情と女帝としての役目の間でもがき苦しみながらも、国民の幸せを願うことで最期に行きついた御遺詔。 今の時代でもそれが実現されていないことからも、いかに難しいことかがわかりますが、いつか実現されることを願ってやみません。

「天平の女帝 孝謙称徳」は読み終わったあとも、壮大な奈良時代の世界が心地よく余韻として残り、心に残る作品となりました。

生意気な言い方ですが、先生がこの作品でまた新たな扉を開けて、大きな一歩を踏み出されたように感じ、年を重ねても、どんどん切り開いていく姿に力づけられました。
すばらしい作品をありがとうございました。

 

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M.W.さん(女性)

玉岡かおるさん渾身の、『天平の女帝 孝謙称徳』

国や民、平和のために生き抜いた女性天皇。一人の人間として、女性として、生き抜く姿はきっと現世の女性にも通ずるはず。来年への志気を高めるべく、今宵は私も深々と粛々と読み耽ようと思います。

 

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Y.Kさん(女性)

「天平の女帝」のおかげで、いいお正月を過ごすことができました。
ハッピーエンドではないのに、前に進む勇気がわいてきます。
主人公の女帝が直接出てこず、広虫が語り部として人物像を描き出す手法が新鮮で、 千夜一夜物語のごとく細かく章立てされた構成は、今日はここまで続きは明日、と楽しめました。
一方で、女帝の功績を否定しようとする男どもの裏工作は、女性の登用というお題目のもと、女性をまつりあげては足を引っ張る現実社会(会社)そのもので、身につまされました。
何より、玉岡さんの小説はいつも登場人物が生き生きしていて、目に浮かぶようです。
特に隼人軍団が素敵! OSKに演じてもらいたくなって、独断で配役を考えてみました。 ……後、配役案(^^)

 

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A.Tさん(女性)

タイトルも装丁もすてき、思わず手に取ってしまいました。 読み始めたら、止まらなくなりそうで、出だしから、いきなり読者の心をわしづかみです。
もったいないので、一章づつ、楽しみに丁寧に拝読して、昨日、『女帝』読了しちゃいました。
楽しみが終ってしまいましたと同時に、興奮しています。 毎日、奈良絵の器を使ってします。
気分はすっかり古代です。

 

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J.Sさん(女性)  

隼人の若者が死んだシーンでは泣きました。

 

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K.Sさん(女性)  

女性活躍の時代とか言われていますが、まさに天平時代から平成の今まで、女性の置かれている環境はまったくシンポしていないということがよくわかりました。
安倍首相に読ませたいと本気で思いました。
登場人物の中では、澪が好き。何にでも好奇心を持って近づいていくおかげで、女帝の死の謎も解けていくわけですから。私も、いくつになっても好奇心は忘れずにいたいです。

 

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T.Mさん

玉岡先生、こんにちは。 『天平の女帝 孝謙称徳』を一気に読み終えて、なんだか興奮して頭が冴えてしまい、初めて出版社に宛てておたよりします。 私は大学生で、 歴史はあまり得意ではなかったのですが、ぐいいっとひっぱられるように物語の中にはまりこみました。 今はすっかり天平にハマっています。 もっとこの時代の物語を読みたいです。